猫のカゼ
最近、うちの猫がくしゃみをしてるんです。 |
それは、猫カゼかもしれないですね。 |
猫にもカゼがあるんですか? |
はい。カゼは、ウイルスなどの感染によって発熱、鼻水、くしゃみ、咳などの症状を呈する呼吸器疾患の総称です。猫もカゼをひきますよ。 |
私もカゼをひいていたので、私のカゼが伝染ったんでしょうか? |
原因となる病原体は動物によって異なるので、ヒトのカゼが猫に伝染ることはありませんし、猫からヒトへ伝染ることもありません。 |
そうなんですね。 |
猫のカゼは、ヘルペスウイルス、カリシウイルスというウイルスが原因となることが多いです。呼吸器疾患だけではなく、目の結膜の炎症も出ることもあります。 |
カゼ薬を飲ませれば治るのでしょうか? |
ヒトのカゼと同じように、対症療法が主体になります。抗生物質や消炎剤、インターフェロン製剤を用いて、二次感染を防いだり、免疫力をあげることが基本になります。 これらのウイルスは完全にいなくなることはなく、免疫力が上がってくると神経に隠れてしまいます。 再度、免疫力が落ちてきたときに表に出てきて悪さをするんです。なので、なかには薬の内服中は鼻炎が治まっても、内服をやめると、すぐに症状が出る、といったこともあります。 ちなみに、すぐに病院に来れないからと、ヒト用のカゼ薬は、絶対に飲ませないでください! |
量を減らして、少しぐらい飲ませても大丈夫だと思ってました、、。でも、なんでダメなんですか? |
ヒトのカゼ薬にはアセトアミノフェンという物質が含まれていることが多いです。 ネコ(イヌもですが)は、この物質による中毒が少量でもみられます。赤血球が破壊されてしまうことによる貧血が出てくることが多いです。 時には命にかかわることもありますので、絶対に内服させないで下さい! |
そうなのですね。そしたら、ヒト用の解熱剤も飲ませない方が良いですよね? |
そうですね。解熱剤もおすすめしません。 動物に使用できる薬剤であっても、量を誤まると食道炎・胃潰瘍などの難治性の消化器疾患や血小板減少症などを引き起こす可能性があるからです。 できるだけ早期に、病院で適切なお薬をもらってください。 |
人間の薬とは治療の成分が違うんですね。なんとなくは分かっていたのですが、今日お話を聞けて良かったです。 先生、そもそも予防する方法はあるのでしょうか? |
ヒトのインフルエンザと同様に、ワクチンがあります。すでにウイルスを持っている可能性のある子でも、症状を軽減させる可能性があるので、ぜひ年一回は接種にいらしてください。 |
わかりました。どうもありがとうございました。 |
ご理解いただけましたでしょうか。
獣医師 院長
池谷 大輔
ネコのカゼも人間同様、こじらすと長引いて、重い症状となってしまいます。
くしゃみや鼻水、咳などの諸症状がある場合は、早めの受診をお勧めいたします。弊院でも診察・治療はもちろん、予防ワクチンも準備しておりますので、どうぞお気軽にご相談下さい。
以上、獣医師の池谷が回答いたしました。